トラサタとは、ホロスコープ(西洋占星術)で扱う太陽系の天体のうち、土星より外に位置する天王星、海王星、冥王星のこと。これら3天体をまとめて「トランスサタニアン」と呼びます。(略して「トラサタ」)
地球から肉眼で見えるのは土星までで、占星術では土星までが個人や社会、現実の枠組みを作る星です。土星より外、外宇宙により近い場所にあるトラサタは、目に見えない、精神世界に深く関係する星です。それゆえ、トラサタは私たちの無意識に働きかけてくることが多く、意識することは難しいのですが、大きな影響力を持ち、そのパワーを無視することはできません。
天体のパワーの大きさは、その天体が太陽の周りを一回りする時間に比例します。水星なら88日、火星は2年。人生で何度か私たちに見直しを促す土星は29年です。
一方トラサタは、天王星が84年、海王星は165年、冥王星は249年と、人の一生を超える時間をかけて太陽の周りを一周します。つまりトラサタの影響力は個人で扱える範疇を超えていて、だからこそ、これまでの占星術では「世代で取り組むテーマ」を表し、個人で使うことは相当難しい星とされてきました。
それは確かにその通りで、トラサタがもたらすテーマは人が一生のうちに消化できるものではなく、また、無意識にやってくるので、知らず知らず影響は受けていても、うまく使えず振り回されることの方が多かったのです。